中村ゆり子さん
入学当時に感銘を受けた
先輩方の優しく、堂々とした姿

東京女子体育大学 体育学部出身で、公益財団法人 全日本なぎなた連盟の副会長を務める中村ゆり子先生。「入学した年に台風で多摩川が氾濫して、先輩に避難するぞ!と声をかけられ、座布団を頭にのせて避難した経験があります。その時、歳の変わらない先輩たちの毅然とした対応を見て“この学校の先輩はすごいな”と感じたことを今でも覚えています。周りの人と助け合い、そして自ら行動して、道を切り開いていく大切さを大学生活で学びました」。中村先生の経験は、現在の本学コンセプトである『一生ものの、姿勢をつくる。』に相通ずるものがある。
“自ら開拓すること”
“武道の理合い”の大切さを学ぶ

「大学ではスピードスケート部に所属しながら、12歳から続けていたなぎなたを部活動として創部しました。当時は練習場所もありませんでしたが、たくさんの方の支えもあり、インカレや多くの大会にも参加しました」。そう話す中村先生は、中でも大学4年の時に参加した大会が強く印象に残っているとか。「長期合宿後に挑んだ大会だったんですが勝つことができなくて。人一倍練習しているのになぜと思った時、足腰の強さや技術だけでなく、集中した気力や守りと攻めの時をみて動く“虚と 実”が大切なんだと気付きました。なぎなたによって武道の理合いが分かるようになり、精神的にも強くなったと思います」。
選手を育成する指導者として
次の世代に期待すること

現在は“なぎなたをもっと多くの人に知ってほしい”という想いで、競技の指導にあたる中村先生。選手を育成する上で、大学時代の経験が土台になっているという。「大学では、夢を持って集まった人から経験してきた種目のことや、教わってきた先生方の姿勢などの話を聞けて、すごく良い経験ができたと思います。自分で工夫して、創生していくことができるのが大学です。ぜひ皆さんにも、いろんなことにチャレンジして、社会で生きていくための基本を大学で養ってほしいですね」と中村先生はこれからの後輩学生に期待を募らせる。
Profile
中村 ゆり子1970年、東京女子体育大学体育学部卒業。1981年、(公財)日本スポーツ協会 なぎなたコーチ4マスター。
1989年、(公財)全日本なぎなた連盟 なぎなた範士審議員・なぎなた名誉審判員。2018年、日本武道協議会 武道功労章を受章。2021年、(公財)全日本なぎなた連盟 副会長。本学では「藤村トヨの教育」の授業の中で「なぎなたの技法」の指導を担当。