理事長挨拶

 本学園は、明治35年(1902)5月10日に私立東京女子体操学校が創設されてから平成24年に110周年を迎え、現在に至っております。学園の実質的創設者である藤村トヨ先生は明治41年(1908)に32歳の若さで校長に就任され、それから昭和30年(1955)に79歳で逝去されるまで、半世紀にわたり、しかも太平洋戦争の困難な時期と戦後の食料・物資の不足の時代を乗り切って、まさに渾身の努力を女子体育指導者の育成に注ぎ、本学園の基礎を築かれました。藤村トヨ先生の“腰伸ばせ 即腹の力”の言葉は、時代を超えて体育指導の指針としてだけでなく、人間としての心構えにも通ずるものがあり、本学園が今後とも一貫して追求していくべきものと考えております。

 本学は現在、東京都の西部、国立市にキャンパスを置いておりますが、隣接する立川市共々協力し合い、本学の有する多くのリソースを活用しながら地域の健康・スポーツ文化の発展に寄与してまいります。

 本学には、これまでのオリンピックで活躍した卒業生や在学生が少なからずおりますが、今後とも多くのすばらしい選手や指導者を輩出できるよう、また、さまざまなかたちで、地元で開催される大きなスポーツの祭典を支援し、盛り上げていきたいと考えております。

 少子化をはじめとしてわが国の高等教育をめぐる情勢には厳しいものがありますが、本学園の誇る建学の精神をすべての教職員、学生が改めて心に刻みつつ、教育・研究のより一層の高みを目指して努力を重ねてまいります。それがこれからの社会から期待される本学の役割であることを確信するからであります。皆様の一層のご理解とご支援をお願いする次第です。

理事長 雨宮 忠