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平成27年度卒業式を挙行しました

記事公開日:2016.03.31

平成28年3月20日(日)、藤村総合教育センターにて平成27年度 東京女子体育大学・東京女子体育短期大学卒業式を挙行いたしました。
大学体育学部体育学科352名、短期大学 保健体育学科64名、児童教育学科87名 合計503名の卒業生が、新たな希望を胸に巣立っていきました。

学長式辞

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは二年間、また四年間にわたりよく努力されました。皆さんは今それぞれ胸のうちで卒業の喜びをかみしめられていることと思います。保護者の皆さまは、お喜びもひとしおでいらっしゃいましょう。おめでとうございます。

 本日は、国立市長佐藤一夫様、井の頭学園理事長高橋あゆち様、本学卒業生・藤栄会会長土屋真弓様をはじめ、多数の御来賓にご臨席を賜り、東京女子体育大学、東京女子体育短期大学平成二十七年度卒業式を盛大に執り行うことが出来ますことを心から御礼申しあげます。

 卒業生の皆さん、皆さんが今日ここに卒業の日を迎えたことは、とりもなおさず皆さんひとりひとりの努力があったからにほかなりません。そのことに私は深甚の敬意を表します。しかし、皆さんは、その努力を陰で支えてくださった方々がいらっしゃったこともしっかり認識してほしいと思います。その第一はご両親です。皆さんに愛情の限りを注いでここまで育ててくださいました。そのご苦労はとうてい言葉で言いつくせるものではなかったはずです。第二は恩師です。学業にクラブ活動に、事あるごとにたくさんの恩師に導かれ支えられてきたはずです。時に厳しく叱ることはあっても、恩師が皆さんの良さを認め、伸ばしてくださったことを忘れてはいけません。第三は仲間です。クラスの仲間、クラブの仲間と協力しあい支えあってきたはずです。遠泳の授業で「もう泳げない」と思ったとき、仲間が「がんばろう」と声をかけてくれませんでしたか。試合で苦境に立たされたとき、仲間が声を限りに声援してくれませんでしたか。その声でどんなに勇気づけられたことでしょう。皆さんの誰もがそういう思い出を持っているはずです。

 人は一人では生きていかれないと言います。振り返ってみれば、ご両親、恩師、仲間がいたからこその今日の卒業です。これからは、皆さんは立派な社会人として世のため人のために尽くすことによって、お世話になった方々に恩返ししていただきたいと思います。

 さて、今日はあらためて卒業ということの意味を問うてみたいと思います。卒業とは業を終えることであり、それはなすべきことを果たしたことです。卒業はひとつの完成であり、しめくくりであります。しかし、同時にそれは新たな出発でもあるのです。英語で卒業のことをコメンスメントと言いますが、コメンスメントには始まりという意味もあります。今日という日は、皆さんが学業やクラブ活動の成果をスプリングボードとして、社会という広い世界で自分の力を発揮するための大いなる始まり、出発の日なのです。

 本学を卒業する皆さんは、社会に出て行くにあたって、今二枚の切符を手にしています。一枚は言うまでもなく、皆さんが手にしている卒業証書です。卒業証書は体育学、保健体育学、児童教育学の専門知識と技能を身に付けた証として、先ほど皆さんにお渡ししました。この切符によって就職という社会への関門が大きく開かれました。長く困難な就職活動でしたが、皆さんはめげずに挑戦し続け、難関を突破して希望の職に就くことが出来ました。もちろん大学で学んだことがそのまま実社会で通用するとは限りません。そこには理論を実地に応用するというもうひとつの課題があります。ですから、本学で学んだことを土台にして、さらに研鑽を積んで成長し続けてほしいと願います。そのための切符が卒業証書なのです。

 もう一枚の切符とは、皆さんの姿勢です。本学の基礎を築かれた藤村トヨ先生は、
「立つ時にも 行く時にも 座しても 臥しても 思慮の時にも 運動の時にも 腰伸ばせ 即 腹の力」
と教えています。

 私は入学式の時から、事あるごとに「腰伸ばせ」という藤村先生の言葉を皆さんに言い続けてきました。本学の教育の根幹は何よりもこの姿勢を重んじるところにあるからです。正しい姿勢は健康の土台となるだけでなく、物事に対する強い気力を生み、その人の人生観までも表します。皆さんは本学に入学してから、何度となく「腰伸ばせ」という言葉を意識し次第にそれが身についてきました。本学の卒業生を採用してくださった企業の方々から、皆さんはきはきして返事がいい、笑顔がいい、それに姿勢がいい、さすが体育大生です、とほめてくださいます。姿勢の良さを体育大学としての本学の独自の長所として社会が認めてくれているのです。

 姿勢というものは一朝一夕で身につくものではありません。常に意識し実践することによってしか自分のものになりません。だからよい姿勢というものはたゆまぬ努力の証であり、その人の精神の在り方を表わすものであり、いったん身に付いたらそれは生涯自分の宝となるものです。私たちが「一生ものの姿勢」と言う所以です。姿勢という切符は物ではありませんが、場合によっては卒業証書という切符よりも、もっと広い世界で通用する切符であるかもしれないのです。社会ではそれが高い評価を得られるのですから、皆さんは、背筋の伸びた正しい姿勢という、もう一枚の価値ある切符を手にしていることを深く認識してほしいのです。

 日本全国で大学の卒業生は約五十六万五千人、短期大学の卒業生は約六万人います。しかし、本学の卒業生である皆さんは、他の大学では得られない、オンリーワンの価値ある切符を手にして卒業することに自信を持っていただきたいのです。

 さて、私も皆さんと一緒に本学を卒業します。本学で五十一年間教育にあたってきましたが、この三月をもって退職します。私にとって新たな出発の時です。皆さんと同じ卒業生として、これからは一緒に本学の発展のために外から力を尽くすつもりです。四年後には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。本学は、東京大会成功のために全学的な支援体制を整えてきました。卒業生の皆さんも、ぜひその輪の中に入ってください。

 本気ですれば大抵のことが出来る
 本気ですれば何でもおもしろい
 本気でしていると誰かが助けてくれる

これは、長野県にある安楽寺というお寺の和尚さまの言葉です。私の大好きな言葉です。この言葉を卒業生の皆さんへのはなむけの言葉とします。

 保護者の皆様、縁あってお子様が本学に入学され、今日の卒業を迎えました。卒業によって保護者の皆様と本学との御縁が切れるのではなく、また別の新しいかたちで御縁が始まるものと思っております。卒業生は藤栄会の会員となって全国から本学を応援してくれることになりますが、保護者の皆さまにおかれましてもさまざまなかたちで本学をご支援いただきたくお願いいたします。卒業生にとって本学が母校であるように、保護者の皆様にとっても本学がもうひとつの母校であり続けていただきたいと願っております。

 それでは、卒業生の皆さんの大いなる活躍と飛躍を願って式辞といたします。


平成28年3月20日
東京女子体育大学
東京女子体育短期大学
学長 加茂 佳子

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