東女体大ヘッドライン 教職員と学生による学園情報ブログ!

平成24年度入学式 学長式辞

記事公開日:2012.04.11

 例年になく寒さの厳しかった冬が去ったと思ったのも束の間、今日は思わぬ春の嵐になりそうです。入学式まで咲くのを待っていてくれたキャンパスの桜も、足踏みをしています。

 本日、多数のご来賓のご臨席を賜り、東京女子体育大学・東京女子体育短期大学平成24年度入学式を挙行出来ますことは、本学にとってこの上ない喜びでございます。今日、大学に387名、短期大学に118名の新入生をお迎えしました。皆さん、ご入学おめでとうございます。ご家族の皆さまにも心からお祝い申し上げます。本学は今年創立110周年を迎えます。新入生の皆さんはこの記念すべき年に入学されました。今日は皆さんに、本学の建学の精神についてお話しし、大学で学ぶ意義について考えていただこうと思います。

 本学は今から110年前の西暦1902年、明治35年に現在の文京区小石川に、私立東京女子体操学校として誕生しました。学校設立の目的は、今の高校・大学にあたる高等女学校、女子師範学校の体育の先生を育てることでした。当時日本には、女性の体育教師を専門に育てる学校がなかったのです。東京女子体操学校は、日本で最初の、女子体育専門学校です。第1回の卒業生は20人ほどだったと言われています。それから110年の間、本学はたくさんの優れたスポーツ選手、体育指導者を世に送り出してきました。本学の建学の精神は、心身共に健全で、質素で誠実、礼儀正しい女子体育指導者・幼児教育指導者を育成することにあります。そして、本学の実質的な創立者として、その基礎を築いたのが、藤村トヨ先生です。藤村トヨ先生の石像がこの式場の外にありますから、後でご覧になってください。そこにこう刻まれています。

  腰伸ばせ
   立つ時にも 
   行く時にも 
   座しても 
   臥しても
   思慮の時にも 
   運動の時にも
  腰伸ばせ即腹の力

 あなた方が毎日胸像の前を通るとき、トヨ先生はきっとあなた方に語りかけているはずです。立っていても座っていても、いつどんなときでも、背筋をすっと伸ばして美しい姿勢を保ちなさい、と。美しい姿勢は気力の表れです。姿勢の美しい女性を見ると、私たちはその女性に凜とした精神的な気高さを感じるものですが、藤村トヨ先生の教えもそこにあります。美しい姿勢であるためには、丹田に力をいれることが大事です。皆さんは丹田という言葉を御存じですか。お臍の下3センチくらいの場所を言います。東洋医学ではここが気力の集まる中心だと言います。丹田に力を入れて、背筋を伸ばし、肩の力を抜いて真っすぐに前を見ましょう。

 新入生の皆さん、あなた方はこれから、体育と幼児教育を理論と実践の両方から学ぶことになります。そこでは、理論が実践を支え、実践によって理論を鍛え直していこうとする視点が必要です。スポーツの技と技術には理論の裏付けがあり、新しい技と技術が開発されれば理論もまた新しく作り替えられていくものなのです。体育や幼児教育についての理論を学ぶのは、机の上だけのことではありません。いつも実践・実習・練習と結びついていなければなりません。体育も幼児教育も常に実践的な学問であることを忘れないでください。高校までの勉強は、ともすると、試験に出るから覚えるものという意味合いが強かったかもしれません。しかし、大学で学ぶ知識と技能は、あなた方が将来なりたい職業にとってなくてはならないものです。今のこの勉強が、今のこの練習が社会に出て役に立つのだと自覚して、主体的に取り組んでください。

 本学には優れた先生がたくさんいらっしゃいます。オリンピアンの先生もいらっしゃるし、オリンピアンを育てた先生もいらっしゃいます。本学の卒業生で、2回オリンピックに出場された先生がいらっしゃいますからご紹介しましょう。はじめに、秋山エリカ先生です。秋山先生は、ロサンゼルスオリンピック、ソウルオリンピックの新体操競技に出場され、その後も後輩達を毎回オリンピック選手として育てられています。もう一人は、佐藤理恵先生です。佐藤先生は、アテネオリンピックで銅メダル、北京オリンピックでは金メダルに輝いたソフトボールの日本代表選手です。テレビで見た方もいらっしゃるでしょう。最終回の打球を一塁でバッチリ受け止めた姿は忘れられません。その瞬間、解説をしていた宇津木さんが思わず「ヤッター」っと叫んだ声が今でも耳に残っています。
 先生方は、あなた方の強い味方です。勉強やクラブでご指導くださることはもちろん、将来の進路についても親身になって相談に乗ってくださるはずです。でも、何よりも強い一番の味方は、今日ここに一緒に入学式を迎えた仲間たちですね。苦しいこと、辛いことが沢山あるでしょうが、そんな時にも一番の相談相手、話し相手はやっぱり仲間です。「人間、一人では何も出来ない」とはよく言われることですが、仲間たちとよきライバルであり、よき友人として強い絆で困難を乗り越え、一生の友情を育んでください。

 皆さんは、大きな夢と希望を持って本学に入学されたと思います。今日から、全国から集まった仲間と励まし合い、競い合って目標に向かって努力してください。ある人は部活動で全国制覇を目標にしていることでしょう。ある人は今まで経験したことのないスポーツにチャレンジしてみようとしていることでしょう。
 スポーツは人に勇気と希望を与えてくれます。昨年3月の東日本大震災は日本に大きな衝撃と深い苦しみをもたらしましたが、なでしこジャパンの活躍が日本を元気づけてくれました。あなた方もスポーツを通じて明るい日本を作るために貢献してください。
 学生時代は、さなぎの時代です。空に舞う蝶は、蝶になる前にさなぎの時代を過ごします。蝶になるための準備期間です。あなた方もさなぎのようにじっくりと力を蓄え、大きくて美しい羽を作ってください。2年後、4年後に、あなた方ひとりひとりが美しい蝶になって社会に向かって飛び出していくことを期待しています。本学はいま桜が美しく咲き匂っています。ここ国立市の桜並木も見事に咲いています。校舎の窓からは美しい富士山が見えます。あなた方の行く先には希望の光があふれていますよ。

 終わりになりましたが、御家族の皆様、藤栄会の皆様、ご来賓の皆様、東京女子体育大学、東京女子体育短期大学の発展の為、限りない御指導、御支援を賜りたく、お願い致します。私達教職員は一丸となり、学生と共に、一歩一歩努力しつづけることをお約束し、式辞と致します。

平成24年4月3日
東京女子体育大学
東京女子体育短期大学
学長 加茂 佳子

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