令和3年度卒業式を挙行いたしました
記事公開日:2022.04.08
令和4年3月20日(日)、藤村総合教育センターにて『令和3年度 東京女子体育大学・東京女子体育短期大学卒業式』を挙行いたしました。本年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と皆様の安全を考慮し、規模を縮小して、卒業生及び学校教職員のみで執り行い、大学・短期大学に分けて開催いたしました。また、卒業式の模様をインターネットにてライブ配信いたしました。
大学 体育学科 357名、短期大学 保健体育学科 21名、児童教育学科 60名、合計 438名の卒業生が新たな希望を胸に巣立っていきました。
学長式辞
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。これまでの皆様の努力を讃えるとともに、本日まで立派にご息女を育ててこられた保護者の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。
一昨年以来、世界中に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症は、数々の変異株の出現で、未だ収束せず私たちの生活に多くの影響を与えています。本学においても、感染防止と教育の展開という難しい課題に直面しました。
しかし、全教職員、学生の協力とともに、大学入構を禁止することなく、対面授業を中心とした教育が展開できました。
さて、このコロナ禍の影響は、今まで私たちが忘れていたことを思い出させてくれます。コロナ禍の前は、人とたわいない話をしながら過ごす時間を、無駄な時間と考えることもありました。会話もせずに一人で食事をしても、ビデオ電話をしても、特別に違和感がなかったと思います。
ところが、コロナ禍で自粛生活を強いられると、人との無駄な会話の時間が懐かしく、会話もせず一人で食べる食事は味気なく、画面越しにビデオ通話をしても、「いつか会いたい」という気持が湧いてきます。今まで気付かなかったことを気付かせてくれているのがコロナ禍だと思います。
こうして今まで無駄と思っていたことが、どれほど私たちの生活を豊かにしていたかに気付くわけです。そのようなことに、いち早く気付いたから、本学ではどこの大学よりも早く対面授業を行い、大学への入構は一度も禁止しなかったのです。
だから、本日卒業式を迎えるあなた方は、この大学キャンパスで多くの友達ができたのではないかと思います。今デジタル化社会に向けて、デジタル庁が発足する中、教育現場でもデジタル化の流れが押し寄せています。しかし、人間そのものはデジタル化できません。
無駄と思うことも、どんな経験でも、経験は経験として自分の人生に刻み込まれます。失敗も大切な経験の一つで、無駄な経験というものは一つもありません。「人間は人間の力によって成長する」ものです。
ぜひ、アナログ思考を復活させ、無駄な時間も大切にするという、そのくらいの余裕をもった、豊かな人生をこれから歩んでください。こうして、社会に出る前の最後の教育を受け、友達と悩みを共有するから、「大学の友は一生の友」といわれます。本学では、「一生ものの姿勢をつくる」というコンセプトメッセージを伝えています。それは「一生大学との縁が続く」と言う意味も兼ねています。
卒業後は、今までお世話になった教職員は、今度は大学での友人として相談に乗ってくれます。何かあれば遠慮せずに、いつでも大学に顔を出してください。
卒業おめでとうございます。
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