TWCPE HEADLINE|東京女子体育大学・東京女子体育短期大学

東京女子体育大学・東京女子体育短期大学

TWCPE HEADLINE|東京女子体育大学・東京女子体育短期大学

研究・教育

ゼミナール特集: スポーツ教育の可能性を探る

記事公開日:2025.02.04

TWCPE注目ゼミ 梶 将徳ゼミ 体育科教育学

教員志望から広がった探求心

 私がスポーツ教育学や体育科教育学の研究に取り組むきっかけは、もともと中学校や高校の保健体育科の教員を目指していたことにあります。その中で、単にスポーツの技術や知識を教えるだけでなく、スポーツが持つ社会的・文化的な側面、そして生涯発達における役割についても深く理解したいと感じました。この思いが、私をスポーツ教育学・体育科教育学の研究へと導きました。

 スポーツ教育学は、体育授業だけにとどまらず、「生涯発達とスポーツ実践」や「スポーツと日本社会の関係」、「身体・パフォーマンス」といったさまざまな視点からスポーツを捉えることができる学問です。私はこの学問が、スポーツを通じて人々がどのように成長し、社会に貢献していくかを探る可能性を秘めていると感じています。

 また、教員を目指す学生だけでなく、スポーツに関わるあらゆる分野で活躍できる力を身につけられる点が魅力です。例えば、スポーツ関係の府省庁やスポーツ協会、地方公共団体、学校外のスポーツ指導など、さまざまな場で活躍できる幅広いキャリアパスが開けます。このような知識をゼミの学生たちに伝え、未来のスポーツ教育を担う人材を育成していきたいと考えています。

「問い」を持ち、探求する力

 ゼミの最終的な目標は、スポーツ教育学や体育科教育学に関する基礎知識を習得し、卒業論文を書き上げることです。しかし、その過程で大切にしているのは、以下の4つの力を身につけることです。
現状を捉える力:スポーツ教育や体育の課題を具体的に理解する
問いを立てる力:自分の興味関心からテーマを見つける
資料を収集する力:必要な情報を計画的に集める
論文にまとめる力:考えを整理し、伝える形にする
 これらは指導者を目指す人にとって欠かせない能力であり、どの道に進んでも役立つ「探求の姿勢」を育むことにつながると信じています。

 ゼミの授業は、3年次から4年次にかけて段階的に進んでいきます。単に知識を詰め込むのではなく、自ら考え、行動し、その経験を振り返ることで本質的な成長を目指します。
 3年前期は、基礎固めの時期です。レポートの書き方や課題図書の発表を通じて、学術的な文章力や論理的な思考を養います。プレゼンテーションの機会も多く、他者に自分の考えを伝えるスキルを磨きます。3年後期では、先行研究を調査し、自分の関心に基づいたテーマを見つけて構想を練ります。「問いを立てる」プロセスを通じて、自分自身と向き合いながら深く考える力を育てます。

 4年前期は、本格的な研究のスタートです。自分のテーマに沿った資料やデータを収集し、計画的にリサーチを進めます。理論と現実をつなげる感覚を養いながら、実証的な学びを深めます。 そして、4年後期は集大成の時期です。収集した資料やデータを分析し、それを論理的にまとめて卒業論文を執筆します。ここで培った「考えを形にする力」は、どんな場面でも役立つ重要なスキルです。

自由な挑戦の場

 課題は決して簡単ではありませんが、学生たちはのびのびと楽しそうに取り組んでいます(…そうであってほしい、という願いも込めて)。プレゼンやディスカッションを通じて、互いに刺激を受けながら成長する――そんな環境を目指しています。実際の教育現場に触れることで、リアルな学びを得る機会を提供したいと考えています。学生たちが現場の声を知り、自分の研究に活かせることを期待しています。

梶 将徳、1991年 福島県生まれ
東京女子体育大学・東京女子体育短期大学 講師
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 博士後期課程修了 博士(スポーツ科学)
主要学科目は体育科教育学

関連記事

【令和6年度 公開講座】レポート 11~1月実施講座 中学・高校生講座

2025.02.07

ゼミナール特集: スポーツを科学する

2025.01.28

ゼミナール特集: 自分も他者も尊重し、保育・教育現場での支援方法を学ぶ

2025.01.24

地域・社会とともに歩む vol.1『児童館での親子音楽あそび』

2025.01.15