中学校教員時代、生徒の姿を通して、道徳の大切さを実感したことが、現在の研究に取り組もうと思ったきっかけでした。
ある小規模校で学年に1クラスしかなかったため、同じ生徒たちを三年間担任したことがあります。その三年間は私自身も道徳の授業に一生懸命取り組みました。
その生徒たちとの最後の道徳授業終了後、普段はあまり話をしてこない生徒が私のところに来て、「先生、道徳の時間、たのしかったなぁ。」と言ってくれました。
「何が楽しかったの?」と聞くと、「思っていることが言えた」と答えてくれました。その時、「道徳」をもっと大切にしていこうと決心しました。
道徳教育ゼミでは、学校が抱える様々な課題を道徳教育を通して考えます。また、教員になったときに、どのように「道徳の授業」を進めていったらよいのかを、具体的に指導案を作成したり、模擬授業をしたり、教材を通して指導法を話し合ったりして、研究を進めていきます。
「知る」「考える」をゼミ生全員で共有し、一人の学びを一人のものにとどめず他の人の学びに役立てるとともに、他の人の学びからも刺激を受け学び、全員で学びを高めていきます。お互いを尊重しながら、和気あいあいと学習・研究を進めています。
今年度前期には、都内の中学校訪問を実施し、生徒の様子や学習環境、道徳の指導について具体的に学びました。
授業や学校生活における指導を具体的にイメージできるようにゼミの内容を工夫することを心掛けています。
自分自身の良さを大切に、自分らしさに自信をもってほしいです。与えられることを待つのではなく、自分で求めて学ぶ楽しさを感じることができることを期待しています。
太田 元 1962年、埼玉県生まれ
東京女子体育大学・東京女子体育短期大学 教授
東京音楽大学修了 芸術学士
主要学科目は道徳の指導法、教育課程論
2023.06.19
2024.06.15
2024.04.24