造形美術を学ぶ中で、木版画に惹かれていきました。小学校や幼稚園の時代に、版画的遊びがたくさんあって、造形活動を通じてどんなことが学べるのかを、授業の中で考えてきました。色や形を楽しみながら自分なりの作品作りができることは素晴らしいことです。
ゼミナールでは、自分の考えを整理したり、世の中の出来事について学んだり、私生活について捉え直したりすることで、自分なりの考え方に基づき作品制作をして発表します。
4年生で制作する作品カタログ
カタログにインタビュー内容を掲載
担当する授業は、幼稚園教育要領、小学校学習指導要領を土台にして、教材教具の扱いを解説しながら、どうしたら活動内容を豊かにできるのか、主体的に学べるような援助配慮とは何か、を繰り返し問いかけます。形や色、イメージの刺激に包まれた、楽しい授業だと思います。ゼミナールの内容は、現在を自分らしく表現することです。形式は、体験しながら自由に選んでもらえたら良いかと思います。
今年の前期は、3年生の希望で油絵とテンペラを描きました。絵を描くときは無言ですからとても静かな時間が流れています。4年生は、実習や就職活動と言って忙しく各自のペースで取り組むことになるでしょう。
希望者を募って展覧会を見に行ったことが何度かあります。内外で市民向けの教育活動を手伝ってもらうこともあります。学生の負担になるので最近は控えています。興味がある人は、希望して欲しいです。
集合写真を屋外に撮りに行って
時間に限りがあるので、要点を端的に伝えるよう心掛けています。ゼミでは、学生に学習デザインを委ね、表現内容について各自で構成してもらいます。これは、とても難しいようです。対話の中でやりたいことを決めてもらい、いくつか可能性をアドバイスします。
人間は、相手のことを理解することが苦手で、自分たちのことしか考えない傾向があります。人の作品から多くを感じ取り、相手に何が伝わるのか考えて制作する領域が美術です。単純なことですが、相手を良く学び、対話を通じて価値を生み出せる人になって欲しいです。
渡邊洋、1970年、神奈川県生まれ
東京女子体育短期大学こどもスポーツ教育学科教授
筑波大学大学院芸術学群美術専攻洋画コース版画分野修了 芸術学修士
専門は、造形美術(版画)、木版画
主要学科目は図画工作科教育法、保育内容(造形表現)指導法
2023.06.19
2024.04.24
2024.06.15