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研究・教育

コートの外から支える、もう一つのチーム

記事公開日:2026.03.10

プロフィール

田沼真咲さん

東京女子体育大学体育学部体育学科

バスケットボール部所属

一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟総務委員会

一般財団法人関東大学女子バスケットボール連盟総務部

バスケットボール部に所属している3年生の田沼さんは現在、プレーする選手であると同時に、部のマネージャー、主務、そして学連活動という4つの役割を担っている。これらを並行して遂行するなかで、競技面だけでなく運営面や組織全体の円滑な活動にも貢献しており、チームに欠かせない存在になっている。選手以外にも、表に立たない役割を担いながら競技全体を支える姿勢は、バスケットボールの新たな魅力を示している。

バスケットボールと向き合う日々

田沼さんがバスケットボールを始めたのは、妹さんと一緒に行った体験会だった。元々、幼稚園の友人がバスケットボールに誘ってくれてはいたが、中々始める勇気が出なかった。しかし、小学4年生から現在までの12年間バスケットボールを続けている。

「妹がバスケをしたいと言ってなかったら絶対に出会えていなかった。なんとなく体験会に行って、なんとなく始めたバスケが、今もここまで長く続いていて、大きな存在になっている。自分でもびっくりしています。」

バスケットボールと向き合う日々で感じた魅力について、田沼さんは3つ語ってくれた。

1つ目は、観客が見ていて楽しい競技であるという事だ。圧倒的なスピード感で、攻守の切り替えが非常に速くプレーは止まることなく流れ続ける。常に試合が動き続ける。テンポの速い試合展開は疾走感があり、さらに、0.1秒で勝敗を分けることもある。観ている側を一瞬で引き込み最後まで目が離せない。

2つ目は、指導者の考え方がそのままチームのプレースタイルとして表れる事だ。ディフェンスを重視するチームは、相手に強いプレッシャーをかけコート全体を支配するような緊張感を生み出す。一方で、オフェンスを重視するチームは多彩な動きと連携で相手を翻弄し、止めることの難しさを感じさせる。同じ競技でありながら、チームによって試合の雰囲気や展開が大きく異なる点は、バスケットボールならではの面白さだ。

「指導者によって“チームの色”が大きく変わるのはバスケの醍醐味だと思います。」

指導者の理念が“チームの色”となって表れる事に、この競技の奥深さが感じられる。

3つ目は仲間との関係性が高まるチームスポーツである事だ。バスケットボールは一人では勝てない競技。だからこそ、仲間との連携や信頼関係が何よりも重要になる。プレーの中で意見がぶつかることがあっても、それを乗り越える過程で、言葉だけに頼らないコミュニケーションが自然と生まれていく。

「チームメイトと感情を分かち合えるのは、とても楽しいし嬉しいことなので、バスケをここまで続けているのはチームメイトのおかげでもあります」

田沼さんの言葉からは、常にチームメイトを大切に思い、これまで仲間と過ごした時間をかけがえのないものだという姿勢が伝わってきた。

もう1つのチーム

田沼さんは現在、一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟および一般財団法人関東大学女子バスケットボール連盟(学連)の総務として活動している。

学連とは、大学スポーツを統括・運営する学生主体の組織である。大会運営や規則作り、加盟校同士の調整など、競技が円滑に行われるための裏側を担っている。田沼さんはその中でも「総務」という部署に所属し、各大学との窓口役を務めている。会議の運営、表彰物の選定や発注、理事への連絡など、仕事は多岐にわたる。表舞台に立つことは少ないが、試合が無事に開催されるために欠かせない役割だ。学連に入ろうと決めた理由を尋ねると、

「チームに学連役員が1人いるだけで大会前の安心感が違うと思うし、なにより私が学連に入って少しでもみんなの支えになれたらなと思い、学連に入ることを決めました」

と話す。チームに対する田沼さんの思いが、支える側へと導いた。

学連の活動は大会が終わっても続く。表彰式を終え、観客と選手が退館してから始まる片付け。大量の備品を運び、会場を元の状態に戻す頃には、時計は終電間際を指している。それでも大会前の書類確認やエントリー管理を担うことで、選手が安心してコートに立てる“当たり前”を支えることに、田沼さんは価値を見出している。理事の方や選手、観客の方から「ありがとう」「楽しかった」と、その一言でやっていてよかったと思い、現在も活動している。学連は田沼さんにとって、もう1つのチームなのだ。

これからのこと

「体育教師になりたい。」

田沼さんは中学生のころから、体育教師になる夢がある。部活動に関わりたいという思いも、その夢の一部だという。教員として働きながら、ミニバスケットボールのコーチとして指導に携わることがこれからの目標である。選手として競技を続けてきた経験を活かし、教える立場からバスケットボールと関わっていく。

「少しでもバスケットボールが楽しいと思えて、続けたいと思えるように、親身になって教えていきたいと思っています。」

競技の魅力を次の世代へと繋ぐ事が、田沼さんの新たな目標である。

文:スポーツマネジメント学専攻コース3年 竹内美稀

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