東京女子体育大学は、1902年に日本初の女子体育教師養成学校として創設。2022年で創立120周年を迎えました。
今回は、体育・スポーツや教育に貢献されてきた卒業生にお話を伺いました。
藤島 八重子 さん
1965年、東京女子体育大学体育学部卒業。新体操部に所属 し、大学4年時にはインカレ、全日本選手権優勝。
1969年第4回新体操世界選手権大会(ブルガリア・バルナ)に日本が初出場し、コーチを務める。東京都・清瀬市・日本体操協会・(公社) 日本新体操連盟より功労章を受章、清瀬市市制50周年特別顕彰で表彰される。
現在、同学評議員・同窓会藤栄会会長を務め、これまで2冊の書籍を発行している。
大学時代新体操部に所属し、数々の大会で活躍、大学卒業後助手・講師として指導者を務めた藤島先生。
「手さぐりで未知の可能性を追求し、どこまで美しく演じられるかと“新体操の魅力”をつかむには心からの会話が大切と実感。部活動等で自然に身に付けられ、助手時代には生きいきと取り組む学生、偉大な恩師伊澤ヱイ先生(※)からの深く熱い刺激は今も心が震える程で“出会い人、出会い事”が人生を広げてくれるものだと思います」。
1964東京オリンピック閉会式では松明の演技(同学学生出演)指導をし、この経験も含め、指導者として「新体操」で世界へ挑戦する道が開かれていったと話す。
※藤村トヨの実妹。初代学長トヨを継いで2代目学長を務めた。
1967年デンマークでの世界選手権の視察により、日本の「団体徒手体操」は世界に通用すると実感、次の世界選手権へ日本を初出場させるため尽力され、新しい動きの発想であることから「新体操」と改名し、より指導に熱が入ったという藤島先生。
1969年ブルガリアでの世界選手権ではコーチとして指導、初参加で5位入賞を果たす。
「まず私自身が目を輝かせ、子どもたちを愛し語りかけ”ほめ言葉”を重ね、息をすってはいてと”動きの呼吸を自然に行う”ことを一番大切にし、個々に深さを広げ、自由な心でステップアップと手を差しのべて個性を磨き伸ばしています」と話す藤島先生。
「新体操を通して“人づくり”を教わりました。教育の分野で知識を広げて、体育教育は狭い領域にとどまることなく、広くスポーツの持つ役割として、健康・体力・健全な精神づくりを根底に置いて、目的を持った指導をすることが必要です。好奇心を持ち、豊かな心情を育み、一歩一歩前に進んでいく、これは『一生ものの、姿勢をつくる。』という本学のコンセプトにもつながりますね」。
また、東京都清瀬市において、幼稚園での体操指導を50年、婦人の美容体操・母と子の体操指導は40年担当するなど、多くの方々の心身の健康に寄与してきた実績もあり、同学の評議員・同窓会会長を務めるなど、東京女子体育大学の発展を支えている。自分に自信と誇りを持って指導をしているという藤島先生は、常に挑戦してきた大学時代と変わらず、ふじしま新体操クラブを主宰し、子どもの心に寄り添いながら、生きる力を養って、強く広い心を育めるよう指導を続けている。
「昨今の激動は苦しい中ではありますが、自分に誇りを持つことで、その思いがきっと“出会い人、出会い事”に巡り合わせてくれるはずです」。
2023.06.19
2024.04.24
2024.06.15
2024.06.03