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研究・教育

ゼミナール特集: 楽しくアスリートの食と栄養について学ぶ

記事公開日:2025.01.14

TWCPE注目ゼミ 筒井孝子ゼミ スポーツ栄養学

ー栄養も健康やパフォーマンス向上の一要素

食べることは一生継続することですし、健康であるためにも栄養に関する知識は必要です。私自身、家族をもった時にも食事で家族のサポートができると思い、管理栄養士になりました。現在、食事の知識はメディアでも取り上げられることが多く皆さんの関心事のようですが、メディアで取り上げられる情報はほんの一部です。より多くの人が健康維持できるように、またスポーツ活動に正しい栄養の知識を活かすことでパフォーマンスを向上できるようにするためにはどのように働きかけたらよいか、それらを研究テーマにしています。

私の講義の一つである「スポーツ栄養学」は、資格取得に繋がる科目の一つですので、いくつかの資格の基礎的な内容を講義で話しています。でも、せっかく講義を聞くなら本を読めばわかるような話を聞いてもつまらないですよね?なるべく現場での話や皆さんが興味をもちそうな食品の話、昔はそういわれていたけれど、今の研究結果からは正しくないと言われている話など、なるべく最新の話を伝え、学生さん自身が普段の食事を振返り、スポーツ活動にすぐに活かせるような講義を心掛けています。

毎回の講義後に学生の皆さんから、講義内での新たな発見や知識についてコメントを提出してもらっています。300名ほどの履修者全てのコメントに目を通すのは大変なのですが、私にとっては学生さんの考えや疑問点がわかり、楽しいことでもあります。

ー知識は人生を豊かにし、行動は新たな気づきを生む

( 色と食欲に関する卒業研究:予備実験としてゼミで色の組み合わせについて皆で検討しています )

大学の講義では聞かなかった内容を、ゼミナールで学びながら知識を広げていく、そんなイメージをもってゼミをしています。

3年生のゼミナールでは、これまで学んだ教科書レベルの知識ではなく、最新の研究データや話題のトピックスについてより深く正しく知識を得てもらいます。そのため、学生自身が興味のある学術論文を選び、レジメを作成して皆に教えながら知識や疑問点を話し合えるような時間にしています。実際に興味を持った研究についてさらに文献を読み進め、それらのデータがスポーツ活動や自分の種目にどの様に関わるか考え、新たな問題点を見出します。また、将来教員になる学生も多いため、各自が選んだ食に関わるトピックスについてプレゼンテーションし、プレゼン力も高めるようにしています。こちらは内容よりも、説得力や話の起承転結、声の大きさ、話し方や資料の作り方を学んでいくことに重点をおいています。

4年生になると、各自が研究したいテーマを決め、それについて計画を立て、準備を進めていくことになります。準備段階では、予備実験をしながら、方法を吟味したり、調査の項目を再検討したりするわけですが、大変でもありその過程が楽しいと学生さんは言います。実験や調査が始まれば、あとは結果をまとめて研究論文を書き上げます。文章を書くのが苦手な学生さんは最後まで苦労していますが、私は文章構成も細かく添削するので、学生さんが卒業後に研究室に遊びに来ると、決まって言われるのが「この私が報告書を褒められました!」です(笑)。その言葉は私にとってとても嬉しい言葉ですし、お互いに二年間のゼミを思い出し懐かしい気持ちになります。

( 孤食時の咀嚼についての卒業研究:咀嚼計測器の装着状態をゼミ生と確認しています )

( 咀嚼回数と集中力、パフォーマンスとの関係:実験や調査の説明を対象者の学生さんにゼミ生が説明しています )

自然科学系のゼミナールは難しいし大変だと嫌厭されがちですが、様々な知識を増やし、計画を立て、自ら実行して新たな知識を得る。そして文章力も身に付け、達成感を得る。これは卒業研究の醍醐味ですから、是非学生さんたちに貴重な経験をして欲しいと思います。

筒井孝子 東京都生まれ
東京女子体育大学・東京女子体育短期大学 教授
管理栄養士
筑波大学大学院体育科学科修了博士
専門は、スポーツ栄養学、保健栄養学 
担当科目は、スポーツ栄養学、子どもの食と栄養

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